ルールや順番が守れない子へ!効果的な教え方・声のかけ方って?

作業療法士*てつ先生

2024/01/15

はじめに

遊びやレクリエーションのルールを守ることが難しく、先生に注意をされてしまったり、列になって順番を守ることが苦手で横入りをしてしまう。 そのような様子を見て、周囲の大人達はどうしても心配してしまうかもしれません。
今回のコラムは、ルールや順番を守れないお子さんへの教え方や接し方をお伝えしていきたいと思います。

ルールや順番を守れないのはなぜ?

1.様々な状況に注意を向けることが苦手

例えば、鬼ごっこなどの遊びでは、自分だけではなく周囲の状況やお友達の動きも視覚で判断しないといけません。 鬼ごっこの場面では、鬼に捕まっても鬼になったことに気付かずに逃げ続けることもあります。
ルールや順番を守るために周囲の状況を理解することや場の状況に合った行動をする意識など、様々な状況に注意を向けることはお子さんにとて難しいことになります。

順番を守らないといけない状況でも、「早くおやつを食べたい」気持ちが強くなり過ぎてしまい、「順番を守る」ことや「列に並ぶ」など様々な状況に注意を向ける必要があります。
このように、一見簡単な状況の中でも、様々な状況が重なっており、順番やルールを守ることは、たくさんのことに注意を向ける必要があります。

2.感情を抑えることが難しい

発達特性のある子や発達障がいの子にとって、感情を抑えることができないこともあります。 ルールや順番を守らないといけない場面でも、我慢する気持ちを抑えることが難しくなります。

3.見通しが立たない

順番を待たないといけない時は、「どのくらい待たないといけないのか」見通しが立たないことに不安を覚える子も多いです。 そのため、順番を守れずつい横入りをしてしまうお子さんもいます。

ルールや順番を守れない子への声かけについて

特に順番を守れないお子さんは、見通しが立たないと不安になってしまい、自分の気持ちを抑えられない時があります。 そのため、子ども自身に見通しを持たせるような声かけが大切です。
例えば、順番を待っている時には、「〇〇くんが終わったらおやつを選べるよ」や「時計の針が3のところにきたときだよ」など見通しがもてる意識の声かけをすることで、 順番を待っているお子さんの不安を和らげることができます。

私も発達支援を行う中でたまにお子さんに対して言ってしまいますが、「もう少し待ってて」と伝えると、「もう少しってあとどれくらいなの?」と聞いてくる児童もいます。 「もう少し」といった抽象的な言い方は避けて、具体的な言葉で声をかけ、見通しを持たせることが順番やルールを守るうえで必要なことだと思います。

叱ることはNG

順番やルールが守れない時に、叱ることはNGです。 お子さんの気持ちとしては「どうして怒られているの?」と叱られることの理解が難しいため、 むやみに叱るとそのお子さん自身の自尊心が下がってしまうことも考えられます。
順番やルールを守れない時は、お子さんの気持ちに寄り添い、どうして順番やルールを守らないといけないかを伝えてあげることが大切です。

ルールや順番を守れない子への教え方

遊びの中で、ルールや順番を意識した遊びを取り入れることが効果的です。 例えば「10を数えてから走る」「〇〇くんが走ったら走るんだよ」など、見通しが立つように声かけを行うことで、ルールや順番を守る意識が身に付きます。
このように最初は遊びのなかで、ルールのある遊びを取り入れてみることで、日常生活の場面でも意識できるようになるかもしれません。

おわりに

お子さんの立場からしてみれば、「どうして順番やルールを守らないといけないの?」と疑問に感じているかもしれません。
どうしてルールを守らないといけないのか?順番を待たないといけないのか? それをお子さんの立場になってわかりやすく伝えることはとても難しいことだと思います。
しかし、たとえそのお子さんが順番やルールを守る理解ができなくても、お子さんの気持ちに寄り添って、伝え続けていくことが大切だと思います。 そうすることで、いずれお子さんは成長していくと思います。 工夫次第で、効果的な声かけや教え方があるかもしれません。

作業療法士*てつ先生

経歴:作業療法士歴11年

作業療法士として働いています! 感覚統合や運動療法、作業活動などを通して、子供達が楽しく成長出来る事を目指して日々努力しています。

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