【作業療法士が教える】逆さバイバイ＝自閉症？発達障がいと逆さバイバイの関係は？

はじめに

逆さバイバイは特に自閉症のお子さんによく見られる行動の1つと言われています。しかし、自閉症ではなくても、逆さバイバイは成長の過程で見られることもあります。なので、逆さバイバイをしたから自閉症というわけではありません。
今回の記事では、逆さバイバイが見られた時の対応や様子で注意すべきポイントを解説していきたいと思います。

逆さバイバイとは？

逆さバイバイとは、お子さんがバイバイをする際に手のひらを自分に向けて振る仕草のことを言います。普通のバイバイは、てのひらを相手に向けるイメージですが、逆さバイバイはその逆の動きになります。

逆さバイバイと発達障害の関係性

発達障がいのお子さんの中でも、自閉症スペクトラムのお子さんが逆さバイバイをする子が多く見受けられています。 自閉症スペクトラムのお子さんは、模倣が苦手なことと、目から入る情報の理解が偏った解釈をしてしまうため、逆さバイバイの行動に繋がっていると考えられています。
さらに、自閉症のお子さんは、社会的なやりとりやコミュニケーションの難しさを抱えていることが多く、それが模倣にも影響しています。
バイバイを学ぶためには、相手の行動を模倣することで覚えていきますが、特に自閉症のお子さんは模倣の難しさがあるので逆さに繋がりやすいと考えられています。
また、手指の発達が遅れていることも逆さバイバイに繋がる理由のひとつとして挙げられています。手の細かい動きが苦手な子は、逆さバイバイに繋がることもあります。
こういった様々な理由により逆さバイバイにつながっている可能性があるため、自閉症スペクトラム症と関連付けされています。

注意ポイント☆否定しないこと

逆さバイバイが見られたことにより、心配してしまう親御さんもいるかもしれません。しかし、大切なことは逆さバイバイの行動を否定せず、受け止めてあげることが大切です。
特にバイバイを即していない状況でも、逆さバイバイが見られた場合はお子さんの行動を観察することも支援の1つとなります。
行動には必ず意味があります。
イライラしていたり、何かストレス感じている時に逆さバイバイをするかもしれません。自分自身を安心させるために逆さバイバイをしている可能性もあります。まずは、行動を観察しながら、受け止めてあげることが大切です。

逆さバイバイの直し方

逆さバイバイを改善するには、遊びを通して正しいバイバイを身につけることが効果的です。
例えば、人形遊びを通して、お人形さんとバイバイの練習をしたり、お子さんの好きな音楽を通してバイバイの動きを大人が手を添えてあげながら行うと楽しくバイバイを学ぶことができます。
遊び以外では、窓ふきの動きはバイバイの動きに近いため、雑巾で窓拭きなどのお手伝いも効果的です。バイバイのイラストが描かれた絵を見せながら練習を行うことも可能です。
特に自閉症のお子さんは、聴覚からの理解が苦手な場合があるので、イラストを見せることでバイバイの動きがイメージしやすくなります。 お子さんの興味を引く遊びなどを通して、自然とバイバイを学ぶことがポイントです。

おわりに

お子さんの行動には必ず意味があります。
今回ご紹介した逆さバイバイも、そのお子さんによっては心の奥に隠れている気持ちを発信しているかもしれません。 例え、お子さんの気持ちがわからなくても「わかってあげたい」という気持ちを持つだけでも子供の気持ちに寄り添っていることだと私は感じます。
逆さバイバイが見られた場合は、ゆっくりとそのお子さんの様子を眺めながら関わっていきましょう。