【言語聴覚士が直伝】好きな事しかやらない⁉お風呂や着替え、上手な促し方は?
言語聴覚士*はる
2025/03/02
はじめに

1日の中で、トイレや食事、お風呂や着替えなどさまざまな生活動作がありますよね。
その動作を誘導するとき、子供が今していることに集中しすぎて全然きてくれない!とイライラしてしまうことはありませんか?
そんなお子さんに対して、自宅でもできる簡単な対応方法があります。
今回は、自分の興味のあることだけに集中してしまう子に対する生活動作の誘導の仕方をご紹介します。
集中しすぎて、なかなか生活動作の誘導ができないお子さんに悩みがあるあなたの参考になればうれしいです。
集中しすぎ?過集中ってなに?

過集中とは、「何かに過剰に集中しすぎる状態のこと」をいいます。
集中力があるという点ではとてもいいのですが、長所だけではなく短所にもなってしまうのです。短所の例は「集中しすぎて食事を食べない」「お風呂に入ろうとしない」などです。
また声をかけられたのに気づかないで、無視してしまいお友達や先生とのコミュニケーションに支障をきたす可能性もあります。
さらに、集中しすぎることで、疲労感が強く残ってしまったり、眠れなかったりと心身に影響をきたすこともあるのです。ただ、このような状態になっているときは、大人でも子供でも声掛けだけでは、なかなか伝わらないことが多いので一工夫必要です。
過集中なお子さんに対する対策3選

①時間を明確化する
何かを始めるとき、キッチンタイマーなど音がなるものを使って時間を決めてみましょう。
「〇〇時までね」という口約束は、過集中になってしまうと忘れてしまったり、時間が来てそれを伝えても聞こえなかったりとするのであまりいい効果は得られません。
そのため、なるべく大きな音がなるものがおすすめですよ。
②スケジュールを視覚化させる
文字が読める子はひらがなカード、読めない子はイラストカードなどを使って1日のスケジュールを目でみてわかるようにします。1つ終わったら、子供と一緒にはがしたり、倒したりして「終わったよ」ということを明確にすると、さらにいいですよ!
③定期的に休憩を入れる
過集中になると休憩を忘れてしまい疲弊してしまうことが多いので、休憩を定めるようにしましょう!
「1時間ごとに水分補給をする」「◯時に必ず食事をとる」など、ルール化するとよいです。またそのときにもタイマーやイラスト・文字カードを併用してもいいかもしれませんね♪
休憩をはさむことで、水分補給や栄養不足、睡眠不足を解消できます。子どもは「まだ疲れてない」「まだ大丈夫」と今やっていることを続けるがために、言うこともありますが、そうすると体や心の不調をきたしたり、生活リズムが崩れたりなどの可能性も考えられます。
そのためしっかり決まり事を作っておくとよいですよ。
まとめ

今回は、自分の興味のあることだけを集中してしまう子に対する生活動作の誘導の仕方についてご紹介しました。
集中しやすいお子さんは、どうしても言葉だけでは伝わりにくいので、イラストなどの視覚や音などの聴覚を使って伝わりやすくなるように工夫して関わってみてくださいね。
ただそれでも難しかったり、日常からイライラしてしまって思うようにコミュニケーションをとれないこともあると思います。そんなときは、専門スタッフのいる機関で相談してみてください。
悩みを抱え込みすぎず、頑張りすぎずに、周りを頼ってくださいね。

言語聴覚士*はる
経歴:言語聴覚士歴:10年目
2児の母をしながら、児童発達支援施設にて、楽しく遊びながら子供たちの「伝えたい!」という気持ちを育てることをモットーに