【就学準備】身支度に時間がかかりすぎてしまう子へのサポート方法
作業療法士*てつ先生
2025/03/06
準備や食事に時間がかかる…

学校に行くための身支度や食事などは必ず目的があります。
身支度をする目的は、学校に行く、お出掛けをするなどの目的があり、食事に関しては、生きていくためや、栄養を取るなどの目的が考えられます。
急がないといけない場面でも、目の前のお子さんが着替えなどに時間がかかってしまう時はついイライラしてしまいますよね。
実は私自身もイライラしてしまう時があります(笑)
今回は、着替えや食事に時間がかかりすぎてしまう子へのサポートをご紹介していきたいと思います。
着替えや食事に時間がかかってしまう理由とは?

着替えや食事に時間がかかってしまうお子さんには様々な理由があります。 今回は、その理由をいくつか挙げていきたいと思います。
1. 姿勢を保つことが苦手
食事をとる時には、同じ姿勢を保ち続ける必要があります。
主に椅子に座ったり、床に座ることがほとんどだと思いますが、発達障がいのお子さんは体幹の力が弱く、同じ姿勢を保ち続けることが苦手です。
その影響により、食事中にだらだらしたり、肘をついて食べてしまう原因にもなります。
2. 注意が散漫になりやすい
周囲の音や刺激に反応しやすいお子さんは、例え着替えをしている最中でもそのまま遊んでしまい、着替えを忘れてしまうお子さんもいます。
食事の時は、つい席を離れてしまうこともあります。
着替えに時間がかかってしまう子への対応は?

着替えに時間がかかってしまい、つい叱ってしまうとこともあるかもしれません。
しかし、叱ってしまうのは逆効果であり、叱られたお子さんはイライラしてしまい、着替えるのにもっと時間がかかってしまうかもしれません。
まずは、そのお子さんにとって着やすい服や素材の衣服から取り入れてみてはいかがでしょうか。
もしかしたら、固い素材であったり、身体にぴったりサイズの服は着脱しづらいかもしれません。
どちらかと言えば、少しサイズ感が大きい方が着やすいかもしれません。
初めの頃は、時間がかかってしまうよりも達成感を感じてもらう方が大切であるため、ボタンやファスナーがついていない服から始めてみるのもいいです。
慣れてきたら徐々にボタンやファスナーが付いてある服にもチャレンジしてみましょう。

さらに、お子さんへの声かけも大切です。 「早く着替えないと間に合わないよ」などの声かけは余計にそのお子さんを焦らせる可能性があるため、「今着替えたら間に合うよ」「まだ時間があるから大丈夫だよ」などポジティブな言葉で伝えると効果的です。
食事に時間がかかってしまう子への対応

姿勢を保つことが苦手なお子さんは、食事中にもかかわらず席を離れてしまうことが多いです。
そのようなお子さんは、椅子と机の高さが合っていないために、座る居心地が悪いと感じてしまい、席を離れてしまうことが挙げられます。
理想は、子供の両足が床に着いていることが大切です。足が床に着いていないと、足をぶらぶらさせてしまい、食事に対する集中力が切れてしまう可能性もあります。
もし、椅子とお子さんの高さが合わない場合は、踏み台を置くなどの工夫も可能です。
食器などの工夫も大切です。
お子さんの好きなキャラクターなどの絵柄が描かれてある食器などを使用することで集中力が増す可能性もあります。
さらに、箸を扱うことが苦手でどうしても時間がかかってしまう場合は、フォークも用意しておくと良いでしょう。
まずは、子供自身が一人でも食べることができるという感覚を身に着けることが大切です。
できることが増えるとお子さん自身の肯定感にも繋がります。
おわりに

着替えや食事に時間がかかってしまうと、どうしても不安になってしまうかもしれません。
しかし、子供はいずれ成長します。それが、明日からなのか、それとも半年後なのか。そのお子さんによって成長速度は違います。
今時間がかかってしまっても、必ず早く着替えができるようになったり、食事も上手に食べることができるようになります。
もしイライラしてしまう場合は、「今の時期だけだから仕方がない」と思うだけでも気持ちが楽になるかもしれません。目の前のお子さんを暖かく見守ってあげましょう。

作業療法士*てつ先生
経歴:作業療法士歴11年
作業療法士として働いています!
感覚統合や運動療法、作業活動などを通して、子供達が楽しく成長出来る事を目指して日々努力しています。