子どもが一方的に話し続ける… 会話が成り立たない時の対策&NG対応って?

言語聴覚士*はる

2024/10/18

はじめに

子どもと会話したり、お友達と会話をしたりしている様子を見ると、わが子だけ一方的に話していて全然会話になっていない!そんな様子を見ると 今後、お友達と話しているときにトラブルにならないか、学校生活に支障はないか気になりますよね。 今回は一方的に話し続けてしまう子の原因と対策についてご紹介します!

子どもが、一方的に話し続けてしまう原因とは?

子どもが、一方的に話し続けてしまう原因として、2つのことが考えられます。

1.周りの状況を判断する能力が低い

お友達が今話しているなどの周りの状況を判断する能力が低いため、一方的に話し続けてしまいます。 それによって友だちが不快な思いをしていることにも自分では気付きにくく、 「今は私が話しているのに!」「なんで君ばっかり話すの!」などコミュニケーション上の問題にもなります。

2.ルールは理解しているが止められない

「授業中など、勝手にはなしてはいけない場所がある」などというルールは理解できているのですが、実際に話したくなったときには、その気持ちが止められず話してしまうパターンです。衝動性があり、ルールを守ることが難しいといった特徴を持っています。

一方的に話してしまう子の対策

一方的に話してしまう子の対策も2つあります。

1.「会話のルール」を教える

自分のことだけを一方的に話していたり、相手の話をきちんと聞いていない様子に気付いたら、 「○○ちゃんも聞いてほしいことがあるみたいだよ」と伝えます。家族内の会話でも、「話を聞くときは相手の目を見る」や、 「会話に入りたいときは一言断ってから話す」などの「会話のルール」を教えて、家族で会話のトレーニングを楽しみます。
また、マイクなどを使って「今マイクを持っている人が話す番」などのルールがあると、視覚的にも分かりやすくなりますよ。

2.会話の聞き役の練習を!

自分の話ばかりをしてしまう子どもには、会話のロールプレイを行い、相手の話を聞くときは聞くことの練習をしましょう。
「話し手」と「聞き手」を決め、話し手だけが話していいルールにします。 ボールなどを使いながら、話していい人はボールが手元にあるなどのルールを設けるのも視覚的に分かりやすくてよいですね♪

こんな対応はやめよう!

1.ほっといて、スルーする

会話が一方的になりやすい子どもは、状況判断が弱かったり、衝動性があったりと社会的なスキルに少しお手伝いが必要な状態です。 ただ、子どもに一度説明しただけでは、なかなか理解が難しいですよね。
思わず、言っても伝わらないからスルーしよう、何度言っても自分の話しばかりだからほっとこう、と放置したくなるのですが、常に会話のルールを的確に教えるのではなく、 手が空いているときや余裕があるときだけでも、向き合って会話の練習を続けるようにしましょう!

また、あまり話しかけているのにスルーしている時間が続くと、子どもは「話したい!」という気持ちが育たなくなってしまいます。 一方的に話されるのは、家事や育児、仕事が忙しいパパやママにとって大変ではありますが、「話したい」という意欲があるだけで、 コミュニケーション面の発達はすばらしい成長をとげているので、その意欲を消さないようにしてあげてくださいね。

2.強く怒る

パパやママは、子どもの話しを聞く以外にもやることがあって大忙し! 思わず、「少し黙ってて!」「なんでわからないの!」と強く怒りたくなる気持ちが出たり、 イライラする気持ちがどんどん積み重なったりしてしまいますよね。 ただ、あまり強く怒られると子どももそれが経験として記憶されます。

「話す」ということが怖いこと、怒られることと認識してしまうと、子どもはどんどん話すことへの恐怖心が強くなり、その行為自体をやめてしまいます。 どうしても、悪い部分に目がいってしまいますが、話し続けるだけの話せる言葉(語彙)が頭の中にあるということは、 言葉の発達としてはとてもいい方向に成長しているので、できるところに目を向けてあげましょう。

まとめ

今回は子どもが一方的に話してしまい、会話がなかなか成り立たないことに対する原因と対策をお伝えしました。 子ども自身の「話したい」という意欲を大切にしながら、無理なく必要なことを伝えて関わってみてくださいね。
また、児童デイサービスという施設では、社会性という部分を伸ばすソーシャルスキルトレーニングなどを実施している施設もあるので、 パパやママだけで頑張りすぎず、悩みがあるときはお近くの保健センターやかかりつけの病院に相談してみましょう!

言語聴覚士*はる

経歴:言語聴覚士歴:10年目

2児の母をしながら、児童発達支援施設にて、楽しく遊びながら子供たちの「伝えたい!」という気持ちを育てることをモットーに

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