「二語文が出ない・少ない…。」お家でできる促し方はある?
ライター:言語聴覚士*はる
2024.10.04
はじめに
2歳前後から少しずつ出てくる2語文。「ママ、いた。」や「あっち、いく」など、たどたどしい言葉の出方がとてもかわいらしい時期ですよね。 言葉の発達は個人差があるので、自分の子どもがなかなか2語文を話さないと気になってきますよね。 今回は2語文が出ない、少ない子へどのような支援や促し方が良いかをご紹介しますよ!
2語文はいつ頃から出る?
2語文は、おおよそ、1才6カ月~2才6カ月頃に出てきます。
2語文がなかなか出てこない理由として、大きく分けて2つあります。
①名詞はたくさん言えるけれど「走る」「する」「ほしい」などの動詞や要求語が出ていない
②動詞や要求語は言えるけれど「犬」「ご飯」「テレビ」などの名詞が言えていない
どちらも「話せない」という表出面の問題だけではなく、理解ができていないと表出にはつながらないので、動詞や名詞などそれぞれの理解も遅れている可能性があります。
この名詞と動詞、名詞と要求語それぞれを組み合わせることで2語文は話せるようになりますよ!
具体的な支援方法のまえに
これから、なかなか2語文が出ない、少ないお子さんに対する支援方法をお伝えしますね。
ただその前に、お伝えしておきたいことがありあす。
どうしても自分の子どもが他の子どもに比べて遅れているように感じると、
不安に思うパパやママはたくさんいると思いますが、子どもには個人差があること、そして誰かが悪いわけではないこと。
最後に本当に心配なときは、3歳検診や、かかりつけの病院で相談してみるとよいですよ。
私がこれからお伝えするのは、家庭での支援方法ではありますが、決してできないから「だめ」ということではなく、
親子の関わる機会の1つとして楽しんで取り組んでいただければと思います!
①動詞や要求語が出ていない場合
動詞や要求語が出ていない場合は「ちょうだい」「やって」「だっこ」「よんで」「とって」などの幼児がよく使う動詞を耳にする機会をたくさん作りましょう。
まずは絵本などを見ながら、そのページに書いてある様子を伝えていきます。
例:ママ 抱っこって言っているね おにぎり 食べているね など
また、「やって」は、いろんな場面で使える便利な言葉なので、子どもがお菓子の袋を開けられずに困っているときなど、
「やってだね」「手伝ってだよ」と言葉を添えて一緒に言う関わりをしましょう。
その経験を繰り返すことで、困ったとき、やってほしいときは「やって」「手伝って」と伝えることを子どもは学びます。
このようにその動詞をどのような場面で使うか結びつけることで、子どもは理解を深めていくのです。
②名詞が出ていない場合
「ちょうだい」などの要求語や動詞ばかりを言う子には、名詞が足りないので、物の名前を教えるようにしましょう。
「ちょうだいちょうだい」と繰り返していたら、子どもが欲しているものを「〇〇だね」と名前を伝えたり、
「食べる」と言っていたら「ご飯だね」「パンだよ」などと何を食べるかだったりと、名詞を耳にする機会を増やしていきます。
動詞と同様に、経験を繰り返していくうちに、子どもは物の名前の理解が伸びて、
人の言っているものを選択して持ってきたり、自分から物の名前を言ったりできることが増えますよ♪
③2語文を耳にする機会を増やす
例えば、子どもが「りんご」と指をさして食べたそうにしていたら、パパやママは「りんご/たべる?」などとひとつ言葉を付け足して2語文を伝えてあげましょう。
また、「ちょうだい」とか「かして」などと要求語のみ言う場合は、「何を」と聞いて、困っている様子があれば、物の名前(名詞)を伝えて、
もし一緒に言えた場合はたくさん褒めてあげるとよいですよ!
動詞や名詞、文章だとしても、1日に何度も、そして毎日、繰り返し教える事が大切だといわれています。
2語文を耳にする機会を増やせたら…
そして、ある程度2語文を耳にする機会を増やせたら、一緒に言う練習をしたり、真似して言ったりする練習をしていきます。
ただ「練習」というと、堅苦しく感じてしまうので、「まねっこゲーム!」などと楽しくやれるといいですね♪
また「選び取りゲーム」も耳で聞いて理解をする力を伸ばすのにおすすめですよ!
名詞なら「犬」「猫」、2語文なら「ぶどう たべてみて」や「くつ はかせてみて」などと
数多くのおもちゃやイラストから、伝えたものを選べるか、それに合った動作をしようとできるかなどをみる取り組みです。
ぜひ子どもと遊びながら耳で聞いて理解する力を伸ばし、2語文の表出を促していきましょう!
まとめ
今回は、2語文が出ない、少ない子への支援の方法についてご紹介しました。 どうしても、言葉がでない様子をみると、「出そう!」「話して!」と思ってしまいますが、 まずは耳で聞いて理解する力を伸ばすことが大切です。 お子さんとの日々の関わりの中で、少し工夫をし言葉の理解や話す力を伸ばしていけることを祈っております。
はる
経歴:言語聴覚士 10年目
2児の母をしながら、児童発達支援施設にて、楽しく遊びながら子供たちの「伝えたい!」という気持ちを育てることをモットーに