【対人苦手っ子におススメ】家庭で簡単ソーシャルスキルトレーニング

ライター:言語聴覚士*おまんじゅう先生

2024.04.14

ソーシャルスキルトレーニングとは、社会における「対人関係をスムーズに展開するために必要な能力を高めるトレーニング」が、ソーシャルスキルトレーニングです。コミュニケーション能力や協調性など、人との関わりの中で大切なスキルを身につけ、より良い対人関係を築くことが目的となります。

ソーシャルスキルの重要性

子どもたちが社会で生きていくために、これから様々な人と効果的に関わりを持ち、ソーシャルスキルが必要になってきます。これは、日常の対話からビジネスシーンに至るまで幅広く活用されるスキルであり、他者とのコミュニケーションを円滑にするためのスキルと言えます。相手の気持ちを理解し、適切な対応を取ることは、トラブルの予防や良好な対人関係を築くことにつながります。

年中~小学生が身につけたいソーシャルスキル

子どもたちが社会で自立していくためには、年中~小学生にかけて様々なソーシャルスキルを身につけていくことが大切です。例えば、挨拶やお礼といった基本的なマナーから、話を聞く姿勢、順序良く物事を進める力、友達との協力や衝突を乗り越えるための問題解決能力などが挙げられます。これらのスキルは学校や家庭、社会の中で徐々に育てられていきます。大人が見本を示し、適切な指導を行うことで、基本的なマナーを身につけていくことができ、自尊心や他者への思いやりといった内面的な成長にも繋がります。

ソーシャルトレーニングの効果

ソーシャルスキルトレーニングを行うことで、人は自分自身の行動や考え方を見直し、相手を気持ちを理解する姿勢を学ぶことができます。トレーニングによって得られる効果は大きく、対人関係の改善だけでなく心理的な健康にも影響を与えます。ストレスの軽減や「自分ならできる」「きっとうまくいく」というポジティブな感情に結びつくと言われています。また、人と深い関係を築くための共感する力や、不測の事態にも柔軟に対応する力も身につくため、人生をより豊かにすることにつながります。

お家でできるソーシャルスキルの基本

①コミュニケーションの基礎

コミュニケーションの基礎は、一人一人の言葉の使い方や、相手の言葉をどう受け止めるかから成り立っています。おうちでの会話は、良いコミュニケーションの場となり得ます。例えば、夕食の団らんで家族みんなで一日の出来事を話しながら、互いの意見を尊重し合う練習をすることができます。コミュニケーションスキルを磨くためには、積極的に会話の機会を作り、様々な話題に触れることが大切です。

②感情表現のトレーニング

感情表現のトレーニングは、自分の感じていることを適切に伝える能力を伸ばすことです。家庭では、子どもたちが感情を自由に表現できるような環境を作ることが肝心です。怒りや悲しみなどの負の感情が起こったとき、それをどのようにコントロールし、表現するか、おうちが最初の学びの場となります。親御さんが感情を理解し、今のした行動や言動に対して「この時はこうすればうまくいけたかもね」等サポートすることで、子どもたちは自己の感情と向き合い、それを他人に伝える方法を学びます。またポジティブな感情も伝えていくこともとても大切です。

③ルールの理解と守る大切さ

生活する上でのルールを理解し、それを守ることは社会生活を送るうえでの重要なスキルです。おうちは、その第一歩を踏み出す場所であり、子どもたちにとってはルールを学ぶ最初の環境となります。例えば、食事のマナーなど、家庭内で守るべきルールを通して、子どもたちは自然とルールを学びます。また、ルールを守ったときのポジティブなフィードバックは、正しい行動を促します。

日常で取り入れられるトレーニング方法

①食卓でのマナー遊び

「いただきます」から始まる食卓。ここに楽しいマナー遊びを取り入れれば、子どもも大人も食事がもっとたのしくなります。例えば、お箸の正しい使い方や、食べ物を口に入れる順番を守るなど、ゲーム感覚でルールを設け、全員で挑戦しましょう。食後は互いのマナーをほめあう時間を持ち、みんなで成長が感じられるようにしていきます。この遊びやり、日々の食事が、マナーを学ぶ大切な時間に変わっていくでしょう。

②家族での役割分担ゲーム

家事は、ただの作業ではありません。これをちょっとしたゲームにしてしまえば、楽しみながら役割を学ぶことができます。たとえば、週に一度、お手伝いのカードを作り、家族でくじを引いてその週の役割を決めるのです。お掃除や料理、ごみ出し。普段は行わない作業に挑戦することで、新しいスキルを身に着けたり、ほかの家族のがんばりを知ることができます。このような役割分担ゲームを通じて、家族の絆も深まります。

ライター:おまんじゅう先生

経歴:言語聴覚士 4年目

言語聴覚士 4年 現在児童発達支援・放課後等デイサービスにて発達障害のある子どもたちに支援をしています。


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