【トイトレ】トイレで排泄をしない子どもへのサポート方法は?
ライター:作業療法士*てつ先生
2024.07.10
トイレではいせつができるようになる年齢は主に幼児期といわれていますが、それ以降の時期でもはいせつに関する悩みは多いです。トイレの自立は、障害の有無に関わらず家族にとって大きな関心事の一つではないでしょうか。
幼児期の頃になると、子供は食事や着替え、はいせつのトレーニングなどの日常的な行動を学ぶ中で「一人でもできる」経験を積んでいきます。その積み重ねにより、お子さん達は自信を高めていきます。私の今までの経験をもとに、トイレに関する悩みを例に挙げますと「トイレでははいせつしない」「下着が濡れていても気にしない」「おむつの中でしかはいせつをしない」「お家以外のトイレを使えない」などの悩みが特に多く聞かれます。今回は、いくつかのトイレで排泄をしないお子さんに対する支援方法をご紹介していきたいと思います。
トイレに誘うタイミングはいつがベスト?
お子さんをトイレに誘うタイミングとしては、朝起きた後や食後など、何かをした後にトイレに行くようにすると「トイレに行く」タイミングがわかりやすくなり、習慣化に繋がります。トイレに頻繁に連れて行き過ぎないことも大切です。おしっこをある程度溜めることで、膀胱にためる感覚が身につき、適切なタイミングでトイレに行くことができるからです。
まずは褒めることが大事!
トイレに行きたがらないからといってお子さんを怒ったり、叱ったりするのはNGです。逆にトイレを嫌いになってしまうかもしれません。はいせつが難しくても、トイレに座れただけでも大いに褒めてあげ、ご褒美として「ご褒美シール」などを使い、お子さんの達成感が得られるような支援も大切です。
はいせつがテーマの絵本などを見る
発達障がいのお子さんは、身体の感覚が曖昧なことが多く、身体イメージをとらえる事に対して苦手意識があります。そのような場合は、お子さん自身ではいせつがテーマの絵本を見て、トイレの大切さを知るとよいでしょう。これは、はいせつに対する意識付けだけではなく、絵を見ながら排泄について学ぶことでより理解が深めることができます。
トイレに行くことが出来たらご褒美シール
最初は、トイレで排泄が出来なくても、決まった時間帯に便器に座ることが出来たらご褒美シールをあげましょう。その時に褒めてあげることも大切です。徐々に便器に座る機会が多くなれば、自然とトイレではいせつができてきます。また、トイレが楽しくなるように、お子さんの好きなキャラクターをトイレの壁などに貼ったりするなどの工夫もできます。まずは、便器に座ることから始めてみましょう。これは、無理にはいせつを目的とせずに、トイレとはどのような物なのかを知る機会を作る事も目的としています。嫌々お子さんをトイレに誘うのはNGですので、トイレの場所が楽しいと思える環境作りを意識してみましょう。
布パンツで濡れている事に気付いてもらう
おむつが濡れていても気にしないお子さんも多いのではないでしょうか。濡れていても気付かないお子さんは、身体の感覚が鈍いお子さんが多い印象を受けます。パンツが濡れている感覚を掴むためには布パンツを穿かせてみてはいかがでしょうか。布パンツが濡れていたら気付きやすいうえ、新しいパンツに取り換えた時のスッキリした気持ちも経験することができ「不快→快」を体感することで意識が芽生えます。
身体の発達を促す
発達障がいのお子さんは、身体の機能の発達の遅れから、動きの鈍さや触れられた感覚を感じ取りにくい苦手さがよくみられます。そのような症状は「不器用」として現れることがあります。そのような身体の扱いにくさがあれば、トイレに限らず、様々な日常生活動作の苦手さに繋がる可能性もあります。そのような理由から、トイレトレーニングと並行して、身体の機能の発達を促すことも大切です。お子さん自身の身体の機能が発達し、自分自身で「扱いやすい身体」となれば、はいせつの自立だけではなくお子さんの身体で関われる日常生活動作が広がることに繋がります。
トイレトレーニングも大切ですが、実は身体の機能の発達の遅れにより、上手にトイレに関われない事も考えられるのです。お子さんには、たくさん身体を動かせる機会を与えてあげましょう。
最後に
お子さんにとってはいせつとは、遊ぶことと比較するとどうしても好ましいものと感じにくいかもしれません。最初は、どうしてもトイレに行くことに対して、面倒くさいことになってしまったり、嫌になってしまうことは仕方がないことかもしれませんね。発達障がいを抱えているお子さんなら、なおさら自立するには時間がかかってしまうとおもいます。
今回ご紹介した、支援方法の中でも、お子さんの好きなキャラクターのシールをトイレの壁などに貼ったり、ご褒美シールなど工夫次第でお子さんが「トイレは楽しい」と感じることができれば、はいせつの自立に一歩近付くことができるかもしれません。やはり、叱ることは逆効果になってしまうので、便器に座れたこと、トイレでパンツを交換することができたことなど、小さな成功でもお子さんをしっかり褒めてあげることが大切だと私は感じます。私自身の子供の頃は、トイレの失敗ばかりして怒られ、トイレに行くことが面倒くさく感じることがありました。焦らず、お子さんの成長に合わせて関わってみてはいかがでしょうか。子供は必ず成長するので安心してください!
てつ先生
経歴:作業療法士 11年目
作業療法士として働いています!
感覚統合や運動療法、作業活動などを通して、子供達が楽しく成長出来る事を目指して日々努力しています。