「空気が読めない子」にどう教える?お家で楽しく出来るトレーニング5選
言語聴覚士*はる
2024/12/09
はじめに
自分の子どもがお友達とコミュニケーションをとっている姿を見て、思ったままに言葉を発してしまいトラブルになることも多いですよね。
あまり続くと、「〇〇くん(ちゃん)やだ」と言われてしまったり、空気が読めない子と思われてしまったり心配事も尽きないかなと思います。
特に自分の子どもになると心配になるパパやママは多いはずです。
今回は相手の気持ちを考えずにコミュニケーションをとってしまう子どもに対する対応をお伝えします。
コミュニケーションは考えることがたくさん!
子ども同士のやりとりをみて、相手の気持ち考える能力が弱かったり、周囲の空気が読めなかったりするとお友達同士のコミュニケーションの様子は大丈夫か心配ですよね。
コミュニケーションは、周囲の人の表情から気持ちを察したり、相手の気持ちを考えて自分も行動をしたり、
相手の気持ちを想像して言うことと言わないことの判断をする必要があります。
つまり、コミュニケーションには、会話の力だけではなく相手の気持ちを察する力や、洞察力、想像力などさまざまな力が組み合わさってできるものなのです。
どれか1つだけ欠けたり、どれか1つだけ出来すぎても相手の気持ちを考えたコミュニケーションにはなりません。
とても高度な技ということがわかりますね。
相手の気持ちを考えたコミュニケーションができない子への対応
それではここから実際に取り組みやすい対応策について5つ紹介します。
ただ、生活の中心となる幼稚園や保育園、学校などで支障をきたしている場合は
専門知識の持ったスタッフがいる療育施設などで適切な評価と関わりをする必要があります。
すべて自分たちでやらないと!と思いすぎず、周りを頼ってみてくださいね。
紹介するどの取り組みもうまくできなくても怒ったりせず、できるだけ楽しんでやりましょう。
子供がまだまだ理解していない様子でも、さりげなく正しい答えを伝えてあげるといいですよ。
①読み聞かせで登場人物の気持ちを考える
絵本の読み聞かせ、国語の教科書の音読などで、登場人物の気持ちを一緒に考えてみましょう。 一緒に本の場面を見ながら「今どんな気持ちかな?」と考える機会をつくります。 あまりうまく答えられないときは、「うれしい気持ちだと思う?」「悲しいと思う?」など選択肢を提示して質問してあげるとよいですよ!
②テレビで人の表情をみて気持ちを考える
テレビを一緒に見ながら、出ている人の表情をみてどんな気持ちか考える取り組みです。 はじめはその子自身が好きなアニメなどを見ながらキャラクターの表情をみていきましょう。 「怒っているね」「楽しそうだね」などと伝えながら一緒にみて、最終的にはどんな気持ちか問いかけてみましょう。 ただ、私の子供もそうですが、テレビをみながらコミュニケーションをとろうとしても集中しすぎて返事ができないことがあります。 そのため、絵本などのほうが合うお子さんもいますよ♪
③パパやママが今どんな気持ちか伝える
パパやママが子供と話しながら、今感じている気持ちを言葉で伝えます。 ただ怒った顔、悲しい顔をするだけではなく「今悲しい気持ちだよ」などと気持ちを口にしていきましょう。 ある程度やりとりを続けると、「怒ってるの?」などと子供の方から聞いてくることもあります。 そのときは「そうだよ」と伝えて表情と感情が一致するようにしましょう! マイナスの気持ちだけではなく、プラスの気持ちも伝えてあげてくださいね。
④言ってはいけない言葉を教える
相手がいやになるような言葉を使ってしまったときは、「そんなこと言われたら悲しいよ」などとその言葉が気持ちにどんな影響を与えるのか伝えるようにしましょう。 はじめの頃は何度伝えても同じことを繰り返してしまうことも多いですが、根気強く伝えていきましょう。
⑤イラストや短い漫画を使ってさまざまな気持ちがあることを伝える
笑った顔や怒った顔、泣いている顔や困った顔など、人の感情はさまざまな種類があるということを伝えましょう。 ある程度1つの表情と感情がむすびついたら、状況画や2-3コマ漫画などを使って、今の状況から人はどんな気持ちになるのか考える取り組みをしていきます。 これは感情の理解まではいかなくても、相手の状況などを考える力もつきますよ。
まとめ
今回は相手の気持ちを考えられずにコミュニケーションをとってしまう子への対応方法についてご紹介しました。
パパやママとしても心配はあると思いますが何より子ども自身が、「なぜかわからないけどいつもみんな怒っている」「なんでかわからないけど周りに人がいない」など
理解できないことで不安を感じていることが多いです。
そのため、まずは子供が安心できる環境をつくること。
また、コミュニケーションとはさまざまな思考が結びつく必要がある高度な技術なので、
一つ一つ焦らずゆっくり伝える大切さを感じてくださればうれしいです。
言語聴覚士*はる
経歴:言語聴覚士歴:10年目
2児の母をしながら、児童発達支援施設にて、楽しく遊びながら子供たちの「伝えたい!」という気持ちを育てることをモットーに