【体験談】自閉症児の障害受容 ~家族で子どもの発達障がいを受け入れるまで~
当事者ママ*はるゆうママ
2025/01/29
はじめに:障がい受容について
障がい受容は簡単ではないと思います。どれが正解でもないですし、本やこのコラムの通りになんて気持ちの受容は出来ないと思います。 今回は6歳と4歳の自閉スペクトラム症兄弟を育てている私が思ったことなどを話していきますね。
発達が遅れているのか早生まれなのか悩んだ日々

1歳を過ぎても喃語を始めとした言葉も発さず、立つことなどもできませんでした。 ただ、我が子は3月下旬に生まれた早生まれです。そのせいなのかと日々考えていました。 他のお子さんと遊んだりすると追いつくのかなど色々考え、ほとんど毎日保育園や支援センターなどの園庭開放やイベントに参加していました。 ですが、誕生日が近いお子さんなどの成長スピードと我が子の成長スピードに明らかな差を感じていました。 夫にも相談しましたが「そんなものじゃないの?大丈夫じゃない?」と共感してもらえることなく孤独感が強かったのを覚えています。
両親や義両親を始めとする子育て先輩からのアドバイスが辛かった

3歳を過ぎてもあまり声を発することなく、トイレトレーニングも進まず… 日々刺激を受けるために園庭開放などに参加する日々を送っていました。
その時辛かったのが子育て先輩からのアドバイスでした。アドバイスの全てが辛かったわけではありませんし、良かれと思ってアドバイスしてくれた気持ちは嬉しかったです。
ですが、我が子にはどう考えても出来ないようなアドバイスをもらっても、ただ悲しい気持ちになるばかりでした。
極めつけは両親や義両親でした。『オムツは“このパンツ濡らしたら絶対ダメ!”って脅したら大丈夫』『ママが心配性なだけ』『もっと厳しくしたら良い。甘やかしすぎ』
昔ながらの子育てのアドバイスを言われ、私が神経質だからと言われたときは涙が止まらなかったことを覚えています。
“昔の常識は今の非常識”と言ったもので、昔の子育てが全ての子供に通じる訳でもないのに押し付けられるような言葉がとてもショックで、ますます孤独になりました。
恐らく、同じようなお母様は多いのではないでしょうか…。
心の底からホッとした診断

その後、家族に頼れる人はいないと判断し、市や保健センターなどに相談へ行きました。
そして市の臨床心理士さんに“K式発達検査”と言う動作や所作のテストで数値的に1年以上の遅れがあることが発覚し、夫へ伝えました。
これが正解であったとは思いませんが、私は子供を一人でも育てる決意で「明らかに息子は発達が遅れている。数値的にも示している。これから他の子供と比較せず子供の成長だけを考えて育てることができないなら離婚したい」事を伝えました。
夫も数字的な根拠を見せられて思うことがあったのか、話し合いの末“一緒に子供のことを考える”と支えあうことを決意しました。
その後、夫にも話し合い、診断をしてもらえることができる大学病院を受診しました。そして3歳後半の時、検査や特性診断の末“自閉スペクトラム症”と診断されました。
その後、対応してくれる子ども家庭支援センターにてテストの後、療育手帳B1を取得しました。この療育手帳は知的の遅れもあると判断されたという意味を表します。
私は、ショックということはなく正直な気持ちとして『これで子供を守ることができる』という思いだけでした。
明らかな発達障がいを診断されたことで、両親や義両親からのアドバイスにも『息子にはできないんです。息子のスピードがあります。』と伝える切り札を手に入れられた安心感に近い思いしかありませんでした。
家族全員で発達障がいを受け入れることができた安心感

大学病院で診断を受け、子ども家庭支援センターにて療育手帳を発行してもらった後、両親と義理両親へ説明しました。
『この子にはこの子の世界観があり、こだわりや思いがある。声に出せることは少ないけど態度など仕草を見て尊重して欲しい』ことを伝えました。
夫同様、数値的なものや医師からの診断を受けたこともあり、心の底では分かりませんが発達障がいを理解し、受容してくれたように思います。
現在は無理強いすることはないですし、現在も紙パンツでの排泄をする息子にトイトレを強いることもなくなりました。
私の子育てに対する孤独感が消え、心の中の負の気持ちが少し楽になったように思います。
おわりに

発達障がいは子供によって程度も違えば、特性によって親の辛さも異なります。その大変さによっては受容も人それぞれです。 受容することが絶対とは、同じ苦労を抱えている私には言えません。でも言えるのは“共に協力理解してくれる人”がいるのといないのでは大きな違いがあるということです。 そんな人がいるだけで強くなれると私は伝えたいです。
※この記事は体験談として掲載させていただいております。気になる症状がある方は医療機関への受診をお願いいたします。
※写真はイメージです。

当事者ママ*はるゆうママ
経歴:6歳ASD不登校児と4歳ADHD強めのASD兄弟をマイペースに見守るママです!