つま先歩きは発達障害?理由や親ができるサポートを作業療法士が紹介!
作業療法士*てつ先生
2024/12/23
はじめに:つま先歩きとは?
つま先歩きとは、かかとを床につけずに、つま先だけで歩くことをいいます。 とくに、この歩き方は自閉症スペクトラムのお子さんに多く見受けられています。 この歩き方は、発達障がいの特徴的な動きとされているため、気になっている方も多いのではないでしょうか。 今回はつま先歩きをしてしまう理由や支援方法について記述していきたいと思います。
どうしてつま先歩きなの?
1.足裏の感覚が過敏
過敏なお子さんは、軽い刺激にも反応してしまい、不快さや痛みを強く感じてしまう子が多いですが、足裏とは身体の部分で唯一地面に接している部分でもあります。 特に歩いている時は、足裏が床に擦れながら歩くのでその刺激が不快に感じてしまうお子さんも多いと思います。 そのため、足裏をつけないでつま先だけで歩いてしまうと考えられています。
2.足の感覚が鈍い
発達特性のある子や発達障がいの子には、感覚が鈍い子が多く見受けられています。 そのため、過敏とは逆に「足の感覚を感じたい」と自分自身で感じる子も多くいます。 つま先歩きとは、ふくらはぎの筋肉が常に収縮した状態となります。 ふくはらはぎの筋肉とは、刺激を感じやすい場所でもあります。 その刺激を感じたいためにつま先で無意識に歩いてしまうお子さんも多くいます。
3.常同行動
自閉症のお子さんに多い症状が「常同行動」です。 そのようなお子さんは、自分の好きな刺激や行動を繰り返し行う傾向があります。 そのため、つま先歩きの刺激がお子さんにとっては心地の良い刺激となってしまうことも考えられます。
つま先歩きは悪いの?
つま先歩きは定型発達のお子さんでも多くみられることがあります。 発達の過程で、つま先歩きを行うお子さんは多く見られます。 つま先で歩くことで、バランス感覚を楽しむお子さんも多くいるので、つま先歩きだけでは発達障がいと判断することは難しいです。 しかし、つま先歩きが2歳~3歳以降も持続し、発達の遅れなどが見られてきた場合には専門家による意見やアドバイスを頂くことをおすすめします。
つま先歩きが見られる子へのサポート・支援方法
感覚過敏で足裏を床につくことが苦手なお子さんに対しては、地面が様々な素材のある場所や遊び場で遊ぶ体験が効果的です。
砂場や芝生であったり、様々な感覚を楽しめるマットなど、様々な感覚を感じてもらうことが大切です。
しかし、そのような遊び場やマットなどの感覚を嫌がってしまうお子さんに対しては、周囲の大人が優しく足裏をマッサージしてあげることも効果的な支援となります。
これは、足裏の感覚が鈍いお子さんにも効果的です。
マッサージの方法としては、親指で足裏全体を押しながらマッサージを行います。
この際、強く圧迫しすぎないように意識しながら押していきます。
擦るようなマッサージよりも、優しく圧迫してあげることで足裏の感覚を感じやすくすることができます。
また、かかとを床につける練習も遊びや運動の中で意識することも大切です。
例えば、サーキット運動で平均台を歩いたり、柔らかいクッションの上を歩くこともおすすめです。
さらに、トランポリンで跳びはねることも効果的な遊びとなります。
おわりに
つま先歩きは、発達障がいの特徴的なサインでもあり、自閉症スペクトラムのお子さんに多いとされています。
しかし、つま先歩きは成長過程でも見られる動きでもあります。
つま先歩きだけで発達障がいと判断することはせず、言葉の遅れや社会性など総合的に判断することも大切です。
発達のスピードは、そのお子さんによって違います。
焦らずに、暖かく見守ってあげることも大切かもしれません。
今回つま先歩きのお子さんに対する支援方法を記述させていただきましたが、お子さんが嫌がる場合は無理はさせない方がいいです。
クッションや砂場などの感覚を不快と感じてしまう場合は、保護者が優しくお子さんの足裏をマッサージしてあげることも大切です。
ぜひ試してみてくださいね。
作業療法士*てつ先生
経歴:作業療法士歴11年
作業療法士として働いています!
感覚統合や運動療法、作業活動などを通して、子供達が楽しく成長出来る事を目指して日々努力しています。